「第三飛行少女隊」最終話の絵コンテアップそしてアフレコ終了、一見すると順調に進行していた制作現場、そして風雲急を告げる突然の原作者からのNGでラストを向えた#22。
突然の最終話没によるリテイクに、どのように対応をしリカバリーをして行くのかが見どころの#23「続・ちゃぶだい返し」。
これまでのように複数のキャラクターがストーリーを紡ぐ展開とは異なり、終始、木下監督中心にストーリーが進行する、よりストーリー性の強い一本筋の通ったエピソードとなっています。
また、これまで視聴者のヘイトを一身に集めていたRPGで例えるとタンク役の平岡は、#22でその使命を終え制作進行チームに普通に馴染む存在になっていました。
改めて#22は、夜鷹書房編集の茶沢がその屑っぷりをいかんなく発揮し視聴者のヘイトを集めるタンク役に。
さて、#23の論点ですが、ブログ主は対話による創造と、夢をあきらめない、だと思います。
まず最初は木下監督と「第三飛行少女隊」原作者の野亀武蔵との直接対決のシーンから。
飛ぶ意味を見いだせない主人公アリアをラストで飛ばせたい監督と、飛ぶのはNGと言い切る原作者。両者の見解はまるで正反対です。
飛ばないラストに納得できない監督は、原作サイドに原作者との面会を求めても拒否されてしまい、八方塞がりの状況を打破することが出来ません。
しかし転送されたメールに原作者のメールアドレスを発見。ダメ元で送信したメールであっさりアポ取りに成功。ここからストーリーは怒涛の展開を見せます。
「第三飛行少女隊」のテーマは少女たちにとって飛ぶとはどういう意味か?であると説き、仲間がいるから仲間を信じて飛んで欲しいと訴える木下監督、しかしその見解に理解を示しながらも、アリアが飛ぶ意味はチームの団結ではないと否定する原作者。
そこから原作者の意図を理解した木下監督は、アリアがもう一度飛ぶためには個人的な内面の問題を解決する必要があると理解、そしてその見解に共鳴する原作者。
お互いの見解の一致点を見出し思わず席を立ち対話をしながら徐々に互いに歩み寄る監督と原作者はお互いが納得できる一致点を見出します。
面会序盤の薄暗い会議室、対話をすることでお互いを理解し認め合うにつれて会議室に差し込む光。暗闇から夜が明ける暗喩を用いて両者の邂逅を表現する演出が秀逸です。
しかも、編集茶沢の悪事が全部公になるというスッキリ展開のおまけつき。
そして、アリアが再び空を飛ぶために新キャストとしてキャサリンの妹ルーシーの追加が決定。
もちろん、新キャストに抜擢されるのは、これまであまりの不憫さに多くの視聴者がなんとか救って欲しい思っていたであろう、ずかちゃんです。
ストーリーとしては意外性がなく、あまりにもストーレートな展開かもしれませんが、ずかちゃんが三女のキャラを演じる姿を見ることが出来て、ブログ主も満足です(*´ω`)
想い出してください。#14で、ノア役でオーディションを受けたずかちゃんは、監督のリクエストに応じ即興でキャサリン役を演じていたことを。
フィクションとはいえオーディション時のことを、しっかりと憶えている木下監督の記憶力はすごいものがあります。
そしてラストのアフレコでの新キャストルーシーの台詞「今、わたし少しだけ夢に近づきました」。ようやく声優としての第一歩を踏み出した現在のずかちゃんと、キャストの台詞がオーバーラップします。
#14からこの伏線は考えられていたのだとすれば、あまりにも見事な演出ではないでしょうか。
アニメ同好会5人組の中で唯一、疎外感にさいなまれていたであろうずかちゃん。欲を云うなら、ずかちゃん以外の4名が「第三飛行少女隊」に関わっている状況で微妙になっていたであろう5人の関係性も描けていたら、もっともっとドラマ性が深まったのではないかと思います。
2014年10月から放送が開始された『SHIROBAKO』も、とうとう次回#24が最終回。はたしてどのようなラストになるのでしょうか。
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