#1では作画監督の瀬川氏を評し「彼女って理詰めで描くじゃないですか、外連味に欠けるっていうか・・」。#5ではエフェクトを作画で表現するか3Dで表現するかに対し、「ここは作画で外連味出すところだろっ」など。
と、以上のように遠藤しか使わない表現ですが、作画に関する専門用語?のようです。
しかしながら、どのような意味なのか実はよく知りませんので調べてみました。
Webの辞書で検索すると次のような意味とのこと。
外連味
- 歌舞伎や人形浄瑠璃で、見た目本位の奇抜さをねらった演出。また、その演目。早替わり・宙乗り・仕掛け物など。
- ごまかし。はったり。「言うことに―がない」
慣用句
はったりを利かせたりごまかしたりするようなところ。「―たっぷりの芝居」「―のない文章」
今一つときませんが、派手な演出や誇張した演出という程度の意味なのでしょうか?。アニメの表現は実写と異なり自由度が高いので、視覚に訴えた演出という意味かもしれません。
ということは、瀬川さんはリアリティ優先の表現にこだわっており、対する遠藤は視覚重視で誇張した表現を得意とするので、お互いに作風が合わないことを意識しているということになります。
更に調べてみたところ、Yahoo知恵袋に次のような回答がありましたので参考として引用します。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1320115408
作品作りにおいて、「ごまかし」や「はったり」は大いに素晴らしい
要素です。
例えば、往来で悪事の真っ最中の悪人たちの頭上から、「待てッ!」と
ヒーローの声が響いてきたとします。が、舞台は街中だったはずなのに、
声のする方を悪人達が見上げると、いきなり断崖絶壁の端っこから
ヒーローが見下ろしていたり…こんな光景は良くあると思います。
あるいは、野球マンガで投手が渾身の決め球を投げる際、いきなり
背景に炎が噴き上がり、空に暗雲が立ちこめたりします。ボールだって
空中でお餅みたいにひしゃげて、何十秒も滞空したりもします。
球場で試合中にそんな怪現象が実際に起きたら、即刻コールドゲームに
なるでしょう(笑)。
映像作品では、こういった「はったり」の「でたらめ」が素晴らしい
劇的な効果となりうるのです。演出で盛り上げるのに、「ウソ」は
強力な武器になります。
理詰めで正確で正しい、論理的なキチッとした作風も良いですが、
作品を盛り上げる為には、そういった正確さ、整合性といったものを
あえて無視して、理屈に合わない無茶苦茶なごまかしやインチキを、
堂々と観客に叩き付けて見せる事も時に大事なのです。
作品が「正確」「理論的」であっても、その為に盛り上がりに欠けて
しまうようであれば、本末転倒です。正確であるよりは、ウソでも
ごまかしでも良いから「説得力」があった方が、より客をノせられます。
客を説得・納得させるため、時には「正確さ」よりも「凄み」「力強さ」
が優先されます。作り手から押しつけられたモノが、例え理屈無視の
メチャクチャのごまかしでも、作品を鑑賞しているその場で納得させ
られるだけの何かすごいモノさえあれば、客はそれで大満足出来ると
いうものです。
けれん味がある作品だと、見ている最中はワクワクドキドキ出来ても、
後から冷静に考え出すと、アレ!?何だいありゃといったツッ込みどころ
がどんどん出て来たりします。でもそれで良いのです。学術理論記録では
なく、創造作品なのですから。
作画監督がどの程度まで演出に関与しているのかわかりませんが、遠藤のいう外連味を出すとは、視聴者(観客)に対し誇張した演出で上手に 嘘をつくという程度の意味なのかなーと思いました。
では、実際にはどのような表現が外連味たっぷりな表現なのでしょうか?
超飛空要艦マジダス |
それでは働く日常を描いた『SHIROBKO』に外連味のあるシーンはあるのでしょうか?
ブログ主が思いついたところでは、前オープニングや#1などで描かれる宮森が運転するシーンでスーパードライブテクニックを披露しますが、これに該当すると思います。
また#2「あるびんはいます!」の会議シーンでタローが放り投げたたこ焼きを、ゴスロリ様こと小笠原がスーパーキャッチするシーンも外連味を出していると云えそうです。
仕事という日常を描く作品でも、意外に外連味たっぷりなシーンを挿入されているので探してみるのも面白いのではないでしょうか?
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