作品概要とストーリー
『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』はサンライズ制作のロボットアニメ。主人公は女性で、しかも登場人物の90%は女性という異色作品。百合シーンも描かれるなどエロ作品としての魅力も十分備えている。
舞台は『マナ』と呼ばれる力により平和で安寧な世界が築かれている世界。
また『マナ』を扱えない突然変異は女性に限定され、「ノーマ管理法」により人権を認められずに、非人間的な扱いを受けている。
主人公のアンジュはミスルギ公国の第一皇女。洗礼の儀の最中にクーデターを企てる実兄のジュリオの企みによりノーマであることを世界中に暴かれてしまう。
皇后である母親はアンジュを庇い射殺、またノーマであることを秘匿していた皇帝は、国民を欺いた罪で処刑をされてしまう。
拘束され身分を剥奪されたアンジュは、ドラゴンとの戦闘を強いられる戦闘施設アルゼナルに送られ戦士として戦うことを強制される。
ドラゴンと倒すための戦闘兵器パラメールに登場するアンジュ。元皇女のプライドとノーマである現実を受け入れることが出来ずに周囲と軋轢を起こし孤立してしまうが、総司令官のジルの判断により特別な機体であるラグナメールの「ヴィルキス」に搭乗することになる。
人間への敵意を抱きながらも幾多の試練を乗り越えつつ、やがてノーマである境遇を受け入れるが世界に敵意を抱くようになるのであった。
作画がひとい
サンライズが制作するロボットアニメだけあり3Dで描かれるパラメールはリアル系のデザインでシャープなラインが特長的。
『楽園追放』に登場する「アーハン」同様のライディングスタイルや、『マクロス』同様にロボット形態と戦闘機形態に変化する機体のアニメーションは流石はサンライドと思わせる仕上がりだ。
メカに比べると人物の作画は酷いの一言。作画が安定しておらずエピソードやシーンによって全くの別人に見えてしまう程。キャラクターデザインは悪くないのに非常にもったいない出来栄えとなっている。
主役の声優がひどい
脇役には、喜多村英梨や田村ゆかり、桑島法子、林原めぐみなどの超がつくほどのメジャーなベテラン声優を配置しているが、肝心の主人公のアンジュの声優が水樹奈々。
何故かメジャーな声優ではあるが低い声質と一本調子で演技力のなさ。元皇女である華やかさのある主人公のイメージにもそぐわない。ヴァルヴレイヴのオープニングテーマを歌っているので、歌える声優としてのキャスティングかもしれないが、それで歌える声優は他にもいるだろう。
また12話までのオープニングからエンディグ、挿入歌までも水樹奈々が歌うというまさかの水樹奈々推しという暴挙。歌唱力はないとはいえないが、まるで演歌のような唄い方が鼻につきアニメの主題歌には不向き。主役にするには無理のある声優だ。
13話からオープニングは『残酷な天使のテーゼ』の高橋洋子に変わってとても聞きやすくなった。
演出がひどい
アンジュが母親から教わったというある歌が物語の進行に深くかかわる設定となっているが、突然戦闘中に歌いだすなど、観ているこちらが赤面するような演出が意味不明でもはやギャグでしかない。
それ以外の演出もテンポの悪さが目立つ、制作期間に余裕がないのではないかと思ってしまう。
シナリオがひどい
公国の皇女がノーマである秘密が暴かれた途端に人間扱いされなくなるなど極端さや、ジェットコースター的に物語が展開がしていく様子はまるで昔の韓流ドラマのようで、本当にひどい。
ただその破天荒さが面白さにつながっている点でもあり、あまりの酷さを嘲笑しながら視聴するのが楽しな点にはなっている。
主人公がひどい
おそらく他に例がないくらい主人公がダーティでビッチで暴力的、非社会的、独善的で協調性の欠片もない自己中心的で我がままな性格。全く共感できるところがないという主人公として異色のキャラクター設定になっている。
見どころ
・百合シーン、エロシーンはロボットアニメとは思えないほど露骨です。
・戦闘シーンは流石はサンライズといった仕上がりです。
・暴力的、残酷なシーン多数、規制の強い海外での展開はありえないレベルです。
総評
ロボットアニメなのに劇中で百合シーンを露骨に描いたり、お色気シーン満載でエロアニメじゃないかと突っ込みをいれたくなるレベル。
またシナリオや作画に同じサンライズ制作の『革命機ヴァルヴレイヴ』を彷彿とさせる。その壊れっぷりや痛々しさを楽しむのが味わいになっている。ブログ主はあれはひどい、これはひどいと書いているので、この作品をけないしているようにしか見えないと思うが決してそうではない。ただし水樹奈々のキャスティングだけは肯定しない。
無駄なお色気シーンを多用する演出に、制作サイドの真意を疑ってしまう作品性には斜め上の視点から視聴するしかない本作品ではあるが、徐々に明らかになる人類とドラゴンの関係も興味深く、娯楽作品として大変面白いアニメ作品となっているのは間違いない。
惜しむらくは、ニコニコアニメでの配信がないこと。視聴者全員で突込みコメントを入れながら視聴するのにとてもよい作品だけにとても残念だ。
公式サイト
http://crossange.com/
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