第2クールも中盤に差し掛かり佳境を迎えた今回のエピソード。矢野さんが本格的に復帰し、ピンチの宮森を強力にバックアップ開始。矢野の助言で宮森も精神的な立ち直りを見せる。
今回の「仕事の夢と現実」。アニメ業界に限らず、新入社員の約3割が約3年で辞めてしまうと云われている。『SHIROBAKO』では何故その仕事を続けるのか?仕事を続ける上でのモチベーションはどこから生まれてくるのかということを、アニメの制作現場を通し、仕事の夢と現実を教えてくれる作品でもあると感じた。
今回の見どころはなっといっても矢野さんの復帰だ。実は平岡とは旧知の仲であるという驚きの展開からスタート。
平岡と矢野さん |
夢と現実でいえば、わずか一年で仕事への情熱を失い、自分のことにしか興味のない平岡は「仕事の現実」を具現化した割とリアルな存在だ。
喩えていえば平岡の立ち位置は料理における塩だ。料理で甘味を出すときに敢えて少量の塩を入れることで甘さを引き立たせることが出来る。平岡という塩を少量入れることで、宮森を始めとした仕事に夢をもって取り組む存在を際立たせている。実際、平岡の言動は“塩っぽい”内容ばかりで見ていて印象は悪いのだが、アニメ作品という料理を作る上で、必要な調味料なのだと思った。
少し意外だったのは下請けのスタジオタイタニックへの対応。契約なのだからと責任を追及する新人制作の佐藤と安藤のスタンスが一般的には理解しやすいが、アニメ制作の業界では持ちつ持たれつという関係性が強いのか、スケジュールに遅延を起こしている責任は問わずに武蔵野アニメーションが強力はヘルプを行うところは、業界の内情を正確に描いていると思われて興味深かった。
釣れますか? |
毎回思うのだが『SHIROBAKO』のタイトルは、必ずといっていいほど、作中のセリフをそのまま使用しているが、必ずしもメインとなるエピソードにかかっていないことも多く、予告編を見ても次週の展開がよくわからないことが多い。
もう一方の仕事の夢。宮森が突如タイムスリップする演出を用いて、武蔵野アニメーションの前身である武蔵野動画が登場し往年の山ハリネズミアンテスチャッキーの制作現場が舞台となる。当時は現在と違いセル画でアニメが制作されているが、その制作風景をとてもリアルに再現している点も見逃せないポイントだ。
制作デスクの丸川社長 |
さらにラストはロケハンから戻った大倉社長が再登場、「目の前の面白そうな仕事をして前に進むと新しい世界が見えてくる。最初から進む先が見えていたのではない、気が付いたらここにいる。」と40年間、同じ仕事を続けてきたからこその重みのあるメッセージで締めくくる。
大倉が描いたアリアの故郷の背景 |
なお、今回のエンディングは、なんと山ハリネズミアンデスチャッキーのオリジナルエンディングが流れるスペシャル仕様となっている。
山ハリネズミアンデスチャッキー |
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