ひとまず、
面接対策はいったん休止し、職務経歴書を詰めていこうと彼女は思った。
差し当たり、面接を受ける予定がないのと、まーまー、ある程度、自己PRなどの対策に目途が立ったような気はする。あくまでもある程度だが。
面接の前にまず応募書類を整えなければならないのは言うまでもない。
実は一度、七転八倒しながら、職務経歴書を書き上げてはいる。しかし、なんだか伝わりにくい書き方だなーと彼女は思っていた。書き上げた経歴書は「とうきょう仕事センター」のキャリアカウンセラーに見てもらった。そうしたところ問題なしとのことだった。この時は履歴書の書き方ばかり注意された。多分、このカウンセラー氏は、職務経歴書はまともに読んでないと思う。
ちょっと横道にそれるけど、とうきょう仕事センターのキャリアカウンセラー氏(年配の男性)はかなり、頼りにならない印象だ。二回、相談したが、常に自分がしゃべっている。聞いてもいない、あれやこれやのエピソードを語るばかりで、彼女の話をちっとも聞いてくれない。仕事の態度もどこか事務的だ。カウンセラーって人の相談を聴くのが仕事だと思っていた。
もし彼女がカウンセラー氏の上司だったら、お目玉ものだと思った。
また、とうきょう仕事センターが開示している求人も転職エージェントのものに比べると、非常に地味だ。彼女が応募したい職がほとんどない。
なので、彼女は自力で求職活動をしたほうが効率的だと思っている。
さて、業務経歴書だ。ぱぱっと書けるかと思いきや、そうは問屋が卸さない。難易度でいうと、彼女が前職時代、半期ごとに提出する自己評価シート並みに面倒くさい。
一番の大きな理由は彼女の経歴がごちゃごちゃしているからだ。
Webで検索すれば、いくらでも見本が出てくるのだが、どうも彼女の経歴にフィットするものがない。
なので、改めて一から作り直すことにした。
今回、参考にするのは「転職面接」と同じ著者の「受かる人はここが違う!履歴書・職務経歴書 採用される書き方」を選んだ。購入をしたのはKINDLE版だ。
早速、序文を読んでみよう。
書類選考に通過する書類と、通過しない書類では、一体何が違うのでしようか。私自身、これまでに多くの履歴書・職務経歴書を見てきていますが、通過しない書類は一読すればすぐわかります。それには次のような共通点があるのです。
・書類としてわかりづらい。読み手の気持ちを配慮していない
・経験を具体的にアピールできていない
・「がんばります」などと「思い」だけをアピール。いかに貢献できるか、「できること」
が抜けている。
・退職理由がネガテイプ。
・その人らしさが伝わってこない
こう書くと、ひょっとすると「そもそも自分には具体的にアピールできる経験がないのだ」「企業に貢献できることなどないのだ」などと思うかもしれません。
しかし、決してそんなことはないですよ、と声を大にして言いたいのです。というのもこれまでに、職務経歴書の添削指導で、アピールできるものをたくさんもっているのに、「アピールできることなどない」と決めつけてしまっている人に多く会ってきたからです。
添削は、相談者の方が作成してきた職務経歴書を相談者の方と一緒に見て、これまでの経験を確認しながら行います。質問を重ねていくと、「なぜそこをもっとアピールしないの?」「なぜそれを書かないの?」と思ってしまうようなことがポロポロと出てくるのです。そして記載していない理由を聞くと、本人は「できて当たり前のこと、やって当たり前のこと、普通のことすぎてアピールにならない」と思っている場合が多いのです。「なんてもったいない!」と思うことがしばしばあります。
要するに、実はたくさんのアピール材料をもちながら、自分では気づいていない人が多いのです。また、書き方で損をしている人も多く、「ここはもっときちんと書いたほうがいいですよ」と言うと、たいていは「当たり前のことだから書かなくてもいいと思っていました」
「わざわざ書かなくてもわかってもらえると思っていました」という答えが返ってきます。ますますもったいない、と思うのです。本書はこの点を踏まえて、書類の作成について順を追って説明しています。自分のアピールポイントをどう見つけていくか、そしてそのアピールポイントをどう表現すればよいかがわかるようになっています。つまり、みなさんの書類作成のプロセスで、どの点が抜け落ちているのか、また間違っていたのかが発見できるようになっているのです。本書で基本的なことをつかみ、さらに自分らしさを加えていけばきっと良い書類が出来上がるはずです。また、「私は転職経験が多いから・・・」とか、「未経験職への転職だからアピールできる
材料がない・・・」と不安に感じている人も多いと思います。これらの不安は、書類および、面接で相手に伝わってしまうものです。そこでぜひ、この本を読みながら振り返ってほしいのが、今までがんばったことや評価されたこと。たとえ未経験の職種へチャレンジする場合でも、今までの経験がゼロになるわけではありません。すべての経験が評価に値するのです。
「転職活動がんばるぞ!ーという方も、書類がなかなか通過しなくて落ち込んでいる人も、自分が企業に貢献できることを証明する、今までの経験をたくさん盛り込んだ書類を作成して、前向きにがんばっていただきたいと思います。あなたの良さがたくさん企業に伝わるように・・・・。
キャリアアドバイザー藤井佐和子
(「受かる人はここが違う!履歴書・職務経歴書 採用される書き方」P3~P5)
序文をまるまる引用してしまったが、とっても重要だと感じた部分はハイライトにした。
なるほど。アピールできるポイントがあるのに自分で気づかないエピソードが埋もれていることってあるんだね。
彼女の経験で応対品質評価をしていたことがある。録音した対応をコミュニケータと一緒にモニタリングをし、自分の良い点を挙げてもらうスタイルだ。評価者から見て良い点なのに、本人は「当たり前」「出来て当然だと思う」と、意識をしていないことが多かったことを思い出した。
良い点って意外と本人は見逃してしまうものなんだ。逆に短所ってとてもよく気づきやすい。
しかし長所伸展といって、長所を伸ばしたほうがよいという話もあったなと彼女は思いだした。
長所伸展法というのがあって、簡単に言うと,その人のよいところ,得意なところ,上手にできていること
を伸ばしていく方法。長所を伸ばしていけば,短所は自然に消えていくらし
い。
流石、有料の書籍は一味違うな。無料でも役に立たないカウンセリングでは意味がない。
まずは通読し、その後、再読しながら立派な職務経歴書を書けるようになろうと、彼女は決意した。